成功への鍵!飲食店の立地の選び方

 

飲食店にとって立地はとても大切です。

 

万が一立地で失敗しても簡単に場所を変えたりすることもできません。

 

正しい立地の選び方を解説していきます。

 

 

経営の重要要素:Place(場所)

 

前回商品の価格について納得の設定ができました!

(価格の記事はコチラ)
これで繁盛店間違いなし!

 

いやいや!

それだけでは融資審査官は納得しないよ!笑
まだ繁盛店の条件に重要な立地を決めてないよね!

 

立地ですかぁ!

色んな物件があってなかなか決めれないんですよねえ

 

お店の立地は売上に関わるとても要素な作業だよ!

詳しく解説するね!

 

 

飲食店における立地の重要性

飲食店にとって立地が重要なのは、立地はお店の経営戦略の一部であり、お店が繁盛するかどうかを大きく左右する要素だからです。

 

どんなに優良なターゲット顧客を選定しそのニーズに応えたコンセプトや商品を練り上げても、お店のあるエリアに該当ニーズがなければお店にお客さんは訪れません。

 

例えば、素晴らしいコンセプトを持った隠れ家居酒屋も人通りの多い繁華街にあるとその価値は半減しますし、ビジネスマンのニーズに応えたクオリティの高いワンコインランチで勝負する定食屋が郊外の住宅街にあってもお客さんは来ません。

 

難しいのは、どのお店にとっても良い立地というは存在しないので、大事なことは「自分のお店にとって良い立地」を見極めることです。その為には色々な視点を持ってお店の立地を考えていく必要があります。

 

飲食店の立地の選び方

店舗がまだ決まっていない方は下記手順によって立地を決定していきます(すでに決まっている方は「創業融資獲得のためのアピール方法」に移ってください)。

 

@物件探索
まず候補物件を探します。
探し方は色々ありますが下記順番であたりをつけていくと良いでしょう(この際候補とする物件は複数見つけておくようにしましょう)。

 

広さの決定
お店のコンセプトとターゲットにマッチした広さを考えましょう。
目安として1坪1席であれば比較的ゆったりとした空間作りが可能です。1坪2席は少し手狭な印象になります。
まず1ヶ月の想定売上を決め、その為にはどれくらいの席数が必要になるか考えましょう。

 

例えば客単価1000円で平日ランチのみ営業(回転率は3回転/日)とし月100万円の売上をあげたいと思うと、必要な客席数は下記のように求められます。

 

100万円(月の売上)÷20日(月の営業日数)÷1000円(客単価)÷3回転(1日の回転数)=17席(必要客席数)

 

コンセプト的に手狭な店舗で回転率重視であれば、お店の広さは下記を目安とします。

 

16.7席÷2(客席数/1坪)=8.35坪(必要坪数)

 

尚ここでの坪数は厨房なども含めた面積です。

 

希望家賃の決定
十分な利益を確保するには、物件の家賃は目安として売り上げの10%で見積もりましょう。

 

例えば1ヶ月の売上が100万円の場合、家賃は10万円を目安として探すと良いでしょう。
また賃料以外の費用として保証金や敷金礼金、仲介手数料や保険代など意外と大きな必要が家賃と別にかかります。その点も注意するようにしましょう。

 

希望する家賃と広さの物件を探す
上記条件にあう物件を、ターゲット顧客が見込めるエリアで探していきます。

 

この「ターゲット顧客が見込めるエリア」はある程度その地域に精通していなければ難しいので、土地勘がない場合は地場の不動産業者に相談するのが良いでしょう。

 

また利用可能形態の確認もしっかり行いましょう。カフェなどの軽飲食はOKでも火や油をガンガン使い大型排気排煙設備が必要な重飲食はダメというところもあります。その辺りも含めて心配な方は飲食店向け店舗に強い不動産屋を利用すると良いでしょう。

 

以上の手順で良い候補物件が見つかれば、下記調査で更に詳しく周辺環境を調査しましょう

 

 

A商圏環境の確認
商圏とはお店のターゲット顧客の生活範囲の事を指します。狭い地域の中でお客さんを取り合う場合は商圏が狭いということになり、遠方のお客さんもターゲットにしている場合は商圏が広いということになります。

 

つまりお店が勝負する地域のことを商圏と呼びます。この商圏はお店の業態により異なりますので、まず自分のお店がどういった商圏になるか見極める必要があります。

 

お店がビジネス街や都市部にありお客さんが徒歩で来店する想定であれば、半径500m内が一般的に商圏とされます。住宅街や郊外にありお客さんが車で来店する想定であれば半径5〜10kmは商圏としたいところです。

 

お店の商圏がきまれば、商圏内の下記環境について確認していきましょう。

 

・居住人口、労働人口
・最寄りの駅の乗降者数
・ターゲットの割合
・近隣施設(大型商業施設、大学、観光地、オフィス、工場など)
・競合店
・立地(角地、二階、交差点など)
・開発計画

 

居住人口やターゲットの割合などは独立行政法人統計センターが管理運営する「地図で見る統計(jSTAT MAP)」が非常にオススメです。商圏の範囲を設定するだけで国勢調査や経済センサスなどの統計データをまとめてレポートにできる機能があり商圏分析に活用できます。
また商圏内の施設や競合についてはGoogleマップを参考にすれば大まかに把握することが可能です。

 

B現地調査
商圏環境を分析したあとは実際に現地に出向き自分の目と足で現地調査をしましょう。
統計情報や地図情報だけでは見えてこない実態や相違点が現地調査では意外と見えてきたりします。

 

下記をポイントにして必ず複数回(曜日や天候違いで)現地調査を行うようにしましょう。

 

・通行量、交通量
・人の流れ(導線)
・競合店舗の満席率、客層、価格帯
・集客導線の妨害要素の有無(踏切、横断不可能な道路、暗い道など)

 

以上の@〜Bの作業によりお店の立地を絞り込んでいきましょう。

 

 

創業融資獲得のためのアピール方法

創業融資獲得のためにお店の立地もアピール材料になります。事業計画書では下記をポイントにして具体的に記載しましょう。

 

ターゲット顧客との親和性

お店のターゲット顧客と立地がマッチしている点を具体的な根拠を元にアピールします。

 

根拠になる情報としては、例えば商圏内の人口構造(性別、年齢、収入、職業)や周辺施設、開発計画に関する情報があげられます。人口構造を見たときにターゲット顧客の割合が多い場合やターゲット顧客の動線になりそうな周辺施設(ファミリーがターゲットならショッピングモール、若者がターゲットなら映画館など)の存在はアピールポイントになります。

 

競合店舗に関する情報

現地調査により明らかになった競合店舗の情報の中で自分のお店にとってプラスとなる情報をアピールしましょう。

 

例えば「商圏内に同業店が◯店舗あり、ランチタイムのピーク時にはどの店も満席状態」である事が確認出来ていれば、そこに出店すれば同様の集客を見込める根拠のひとつになります。
また「商圏内の同業店◯店舗中、ランチ価格のレンジは800-1000円」であればそれより安い価格設定をしている場合、価格優位性の根拠にもなります。

 

商圏内の競合状況から集客の根拠にもなりそうな情報を記載していきましょう。

 

 

具体例で解説!立地に関する良い事業計画書の書き方

 

先輩!

私のお店のコンセプトやターゲットに合わせて立地を決めました!

 

良い物件があったんだね!

きちんと商圏分析をしたうえで決めれたかな?

 

はい!

こんな感じで商圏分析もしっかりしました!

 

 

店舗立地
・東京都〇〇区
・最寄り駅の情報は下記の通り
JR〇〇駅 徒歩〇分(約10万人/1日平均乗車員数)
東京メトロ〇〇駅 徒歩〇分(約1.9万人/1日平均乗車員数)

 

商圏環境(店舗から半径500m圏内)
都内有数のオフィス街に位置し、労働者人口(事業所従業者数)は想定1〜1.5万人。
同業態の(ランチ実施のカフェ・ダイニングバー)の競合店舗が4店舗存在し、価格帯は800〜1,000円。
ランチタイム時は全店舗20〜40代の有職男女で満席状態で、平均して満席×3回転の回転率を確保。
11〜13時のランチタイム時における店舗前通行者数は約1,000人(平日5日間平均)。

 

 

 

うん!

ターゲット顧客とニーズが相当数存在する事が統計や現地調査から良く分析できているね!
事業計画書ではその商圏の中でお店が優位性が出せることも盛り込むと良いよ!

 

具体例:女性向けランチ専門店

 

 

まとめ

 

物件を決める前に立地の重要性を知れてよかったぁ♪

これで立地からも私のお店の成功をPRできます!

 

融資担当者も立地が良いと集客面の不安が払拭されるからね!

お店周辺の様子を写真や動画で実際にわかりやすく伝える工夫も有効だよ。

 

この店がこの場所にあればお客さんが入りそうだなと納得してもらうことが大切なんですね!

 

そういうことだね!

では次はいよいよ4P分析最後のP、プロモーションについて見ていこうか!

 

立地の重要性をご理解頂けたでしょうか?

 

飲食店の成功の鍵は立地が握っているといっても過言ではありません。

 

そのため立地の良さは融資調達の際の大きなアピールポイントにもなります。

 

融資担当者がこの立地なら成功しそうだと思ってもらえるポイントを見つけて積極的にアピールしていきましょう。

 

 

 

 

当サイトでは飲食店向けの事業計画書について詳しく解説しています。
他業種でも参考になる内容になっておりますのでぜひ参考にしてみてください。
飲食店向け事業計画書の書き方

 

 

 

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