PEST分析とは?具体例で学ぶマクロ環境分析
飲食店は社会の変化に大きな影響を受けます。
そういった社会の変化や状況(外部要因)のことをマクロ環境といいます。
飲食店が生き残るためにはこのマクロ環境の分析が非常に重要で、ビジネスのシーンで良く利用されるのがPEST分析です。
ここではマクロ環境とPEST分析について具体例も交え詳しく解説していきます。
マクロ環境とは
お店の理念が決まったし、次はメニュー作りとかを!
(お店の理念について)
その理念に共感が集まるかニーズの存在を探らなきゃ
ニーズって根拠を示すのが難しいんですよね、、、
私の店マグロ出しませんよ
マクロ環境とミクロ環境
ビジネスにおける外部環境は大きくミクロ環境とマクロ環境に分けられます
ミクロ環境は直接お店が関わる周辺環境の事で、市場や顧客、競合等が該当します。
マクロ環境はそのさらに外側に位置する外部環境でお店が直接関わることが出来ない(コントロール出来ない)外部要因のことです。
例えば政治情勢や地球温暖化などの環境変化、消費者のライフスタイルや人口構成の変化などがあげられます。
飲食店の例だと消費税増税は集客や客単価に大きな影響を受けることになる重要なマクロ環境の変化といえます。
飲食店におけるマクロ環境の重要性
ミクロ環境とマクロ環境はビジネスや飲食店経営において非常に重要です。
飲食店経営を始める際にまずマクロ環境をとられることで、世の中の消費者が持つ顕在ニーズや潜在ニーズをあぶりだします。
次にそのニーズをミクロ環境で捉えることでどういったサービスを提供するのかを考え、市場や顧客にマッチし競合には真似できない戦略を策定していきます。
つまりマクロ環境の正確な把握が世の中から求められるお店を作る為に最初にするべき作業ということが出来るのです。
また当然ですが、常に世の中から求められるお店であり続けるには、日々変化するマクロ環境を的確にとらえお店経営に反映していく努力が必要なのです。
PEST分析によるマクロ環境分析
ただどう分析すれば?。。
一番良い分析ってこと!?
なんかすごそうですね!!
PEST分析!
じゃあ詳しく解説するね!
(僕滑舌悪いのかな、、)
PEST分析とは
先ほど説明したマクロ環境を分析する為に、ビジネスシーンにおいて良く利用される分析手法のひとつにPEST分析があります。
PEST分析はマクロ環境の中でもビジネスに大きな影響を与える4つの環境【Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)】を分析し、それらがビジネスに与える影響を考察していく手法です。
それぞれの頭文字をとってPEST分析と呼ばれています。それでは4つの環境要因について詳しく見ていきましょう。
4つの環境要因について
Political(政治的環境要因)
まず「P」は「Political」で政治的環境要因のことです。
外部環境の中でも政治や法律面から影響がありそうな実態や変化を分析します。
具体例をあげると政権交代や法律の改正(規制強化や緩和)、税制改正などがあげられます。また地域の条例の制定や改正も政治的環境要因のひとつです。
この政治的環境要因は他の要因に比べ中長期的に見通しがしやすい特徴があります(例えば法律改正などは施行の何年も前から審議され、公布されてからも施行までに準備期間や猶予期間があるものも多い)。
そのため常に政治動向を注視し法改正などに対応できる準備を前もって出来るかが大切なポイントになってきます。
Economy(経済的環境要因)
次に「E」である「Economy」は経済的環境要因のことです。
これは景気動向(インフレ・デフレ)や国の財務状況などが該当します。
具体例としては経済成長率や消費者物価指数の動向、失業率や金利、株価、為替相場など、経済に大きく関わる環境要因があげられます。
経済的環境要因も比較的中長期的な見通しがしやすいですが専門的な知識も必要になるため、積極的に勉強するか専門家との繋がりをもっておくことが大切です。
Society(社会的環境要因)
続いて「S」は「Society」ことで社会的環境要因です。
社会環境そのものや個人のライフスタイルの変化が該当します。
具体的には、社会環境では人口比率や健康寿命、教育水準の変化、ライフスタイルでは働き方や家族構成、食文化の変化があげられます。日本における少子高齢化はこの社会的環境要因の最たる例としてビジネスにどう影響してくるか分析が必要です。
社会的環境要因を的確にとらえるには広くアンテナを張る必要があり数年後の動向を正確に予測することも非常に困難です。
最低限、今世の中で起きている状況や変化を正確に把握し、今後起きうる変化について自分なりの考えをもっておくことが大切です。
Technology(技術的環境要因)
最後に「T」の「Technology」は技術的環境要因のことを指します。
常に人類が生み出し続ける技術革新はすべてこの環境要因に該当します。
具体的にはIT技術の発展や医療技術、科学の進化があげられます。
この技術的環境要因は他の3つの環境要因と比較し一気にビジネスの在り方を激変させるほどの影響力を持つ場合はあります。
例えば携帯電話に登場により公衆電話は街から姿を消し、スマートフォンの登場で携帯電話も減少の一途をたどっています。
飲食業界でも調理のオートメーション化や在庫管理をAI(人工知能)にさせる動きも出てきています。技術的環境要因の変化に対応するために最新技術について常にアンテナを張るようにしましょう。
実際にPEST分析をしてみよう!具体例
でもそれぞれの分析が難しくて思いつかない、、、
アヤちゃんのお店に関係する要因でいうと例えば。。
Political(政治的環境要因)
・政府の「女性が輝く日本」に向けた政策実施
・消費税増税と食品への軽減税率適用
・働き方改革の実施
Economy(経済的環境要因)
・過去10年で景気は緩やかに回復
【12年12月以降の景気拡大が6年2カ月継続、戦後最長の可能性あり(19年1月政府発表)】
・飲食サービス業もここ10年は利益純増
Society(社会的環境要因)
・女性の社会進出の増加
・働き方改革による時短ニーズの増加
・食事の個食化
・健康志向や植物性食品ニーズの高まり
Technology(技術的環境要因)
・IT技術、人工知能の進化
・調理器具のオートメーション化
・ネットでの食事配送サービスの進化
確かに私のお店に影響がありそうなことですね!
女性向け定食屋の例
私のお店のニーズがどんなところにありそうかイメージが浮かんできますね!
まさにPEST分析はお店が社会に求められる存在になる為の分析手段なんだ!
まとめ
事業計画書作りが少しずつ楽しくなってきました!
じゃあ次はミクロ環境を分析していこうか!
PEST分析はビジネスシーンで多く活用されてきた分析手法です。
それだけ事業経営においてマクロ環境の分析が大切だという証拠です。
皆さんのお店を取り巻く環境を把握しその変化に適応することがお店の経営者として大切なことです。ぜひ一度PEST分析にチャレンジしてみて下さい。
当サイトでは飲食店向けの事業計画書について詳しく解説しています。
他業種でも参考になる内容になっておりますのでぜひ参考にしてみてください。
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