飲食店の開業動機の書き方
飲食店に限らず創業には動機が存在します。
動機は計画書全体の印象に影響します。
読み手を惹きつける書き方を解説します。
そもそも動機とは何か?
それだけで私の計画が十分伝わるのかなぁ。。
(コンセプトに関する記事)
最初は動機について!
動機はどんな事を書けばいいんだろう。。。
すべての行動には必ず動機がある
動機とはなんでしょうか?
動機とは人が何か行動を起こす時の直接的な心的要因のことです。
小難しい書き方をしましたがようするに人が何かをした時の理由です。
例えばみなさんがどうしても勝ちたいジャンケンの場面でチョキを出したとします。
その時、チョキを出した動機が存在します。
みなさんは「相手がパーをだすと思ったから」や「以前も大事な場面でチョキで勝ったことがあるから」などの理由でチョキを自ら選択しているはずなのです。
少し動機に意識を向けるとあらゆる行動には動機が存在する事がわかります。
動機と目的の違い
たまに拝見するのですが、動機と目的を勘違いされている方がおられます。
動機と目的は明確にその意味が異なります。
目的は成し遂げたい事柄であり、原因や要因ではありません。
「水を飲む」という行動を例に2つの違いをみていきましょう。
動機は「運動し喉が渇いたから」「辛い物を食べ口が痛いから」等があげられます。
そして目的が「渇きを潤すため」「刺激を和らげるため」等があげられます。
動機「喉が渇いたな」→目的「喉を潤すぞ」→行動「水を飲む」という流れになります。
もうお分かりかと思いますが、例えば動機として、「◯◯というサービスを世の中に提供するため創業を考えております」という書き方は適切ではないのです。
これはあくまで目的であり、動機として語らないといけない部分は「なぜ◯◯を提供しようと考えたのか」という部分なのです。
この点は勘違いしやすい点でもあるので動機を書く際に気をつけましょう。
飲食店の開業動機の書き方
私、お料理好きでお店を持つのが夢だったんです!
どうですか私の動機!?
ただお店をひらくという動機としてはもう少し欲しい所かな。例えば社会的意義やなぜ今じゃないといけないのかな?
いい、今じゃないと!?
ごごごごめんなさい!!
そこまで含めた書き方ができるようになれば完璧だから一緒に考えてみよう!
開業動機に必要なポイント
では飲食店の開業動機の書き方を解説します。
動機の中で書きたいポイントは下記3点です。
動機に必要な3点
- なぜそのお店をしようと考えたのか?
- なぜ今はじめるのか?
- 社会的な意義・貢献性はあるか?
なぜそのお店をしようと考えたのか?
動機の核となる需要な部分です。
みなさんが考えている飲食店をなぜ開業しようと考えたのかです。
この部分は難しく考える必要はありません。
「いつか自分のお店を持つことが夢だった」
「今働いているイタリアンレストランから独立して自身のお店を待とうと考えた」
こういった動機できっかけとしては十分です。
さらに読み手の共感を得る為には、
なぜお店を持つという夢を持ったのか?
なぜイタリアンなのか?
という部分まで触れていると良いでしょう。
なぜ今はじめるのか?
なぜ今飲食店を開業する必要があるのかは、実はとても大切なポイントになります。
ここから開業者の計画性がわかるからです。
昨年でも来年でもなく今年でないといけない理由が説明できれば、明確な計画性をもって開業すると印象づけることができます。
一番わかりやすい理由としては、
「開業資金が目標額に達した為」
「希望の立地と条件の物件に空きがでた為」
などがあげられます。
社会的な意義・貢献性はあるか?
ここは見落とされがちですが非常に重要です。
なぜならみなさんが今後支援者を増やしていこうとした際、周囲の方々は何を理由にみなさんを応援するか決めるのでしょうか?
それはみなさんの事業の社会的な意義です。
わかりやすい例は、日本政策金融公庫により創業融資です。
ここは政府系の金融機関ということもあり、融資金が社会的意義のある事業に使われているかが大切になるわけです。
公庫に限らず、私利私欲のためだけに事業をする方と、社会的な意義やひいては自分にも返ってくるような社会貢献性の高い事業をする方と、どちらを応援したいと思うか、という視点で考えれたば当然どう書くべきかもわかってくるかと思います。
動機に正解はありません。当然読み手に伝わるより良い書き方や構成はこうです、というものはありますが、その内容自体に正解はありませんし良い悪いもありません。100人の開業希望者がいれば100通りの動機が存在します。動機というのは本来最初からみなさんの中にあるものです。そのご自身の中にある動機と改めて向き合い「私の動機はこれです!と」差し出せる形に練り上げる作業が動機を考えるという作業です。
実際に開業動機を書いてみよう!具体例
私にこんな立派な動機が書けるか自信がなくなってきました。。。
したいお店のイメージは?
きっかけは何かあるかな?
女の人も気軽に入れるお店があればいいなって。。
凄く良い動機だと思うよ!
つまりこんな感じかな。
お店をしようと思った動機
- 料理が趣味でいつか仕事にしたいと思っていた
- OL時代に女性が1人で入りやすい定食屋が無くて困った
- 働く女性の味方になるような定食屋をしたい!
ちゃんと動機あったんだ!
今までどう準備してきた?
学生時代カフェでバイト、
OL時代に開業の為に貯金
あと不動産も見て、、
、、、これって準備?
ちゃんと考えてて偉いよ!
まとめるとこうだね!
今お店をはじめる理由
- 会社員の給与を開業資金として貯金しており目標額に到達
- 希望の立地で条件にあう物件に空きができた
ちゃんと考えたら書けた!
女性向け定食屋の例
私の想いや経歴が1枚に!
自分だけの経験や想いがあれば誰でも立派な動機が書けるよ!
動機に書くことがないという方は、まずご自身の今までの経歴、経験を振り返ってください。その中で楽しかったことや嬉しかったこと、逆に辛かったことなどを思いつく限りあげていってください。これを人生の棚卸しなどといったりもします。その中に飲食店や食べ物にまつわる話はないでしょうか?「飲食店でアルバイトしていた」、「旅行先で食べた◯◯に感動した」、「家族に作った料理を褒めてもらえて嬉しかった」、などどんなことでも構いません。そういった経験や感情も動機となります。また「〇〇が好き」も立派な動機になります。
まとめ
立派な動機が書けました!
動機は事業計画書の印象に影響を与えるから!
よく頑張ったね!
これでもうお店開けます!
事業計画書作りはまだまだこれからだよ笑
次は経営理念を書こうか!
動機は読み手が最初に注目する項目です。
本記事を参考に一度動機を書き上げていただけたら、一度読み手の気持ちになって第三者の視点で読んでみましょう。
特に動機は主観的な考えのみに陥りがちです。
第3者目線で振り返るという意識が大切です。
読み手の気持ちで読んだとき、書き手の想いや考えに共感する気持ちをもつことができれば、きっとよい動機が書けているはずです。
動機で一気に読み手の興味をみなさんの事業計画書に注がせましょう!
当サイトでは飲食店向けの事業計画書について詳しく解説しています。
他業種でも参考になる内容になっておりますのでぜひ参考にしてみてください。
⇒飲食店向け事業計画書の書き方
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